読んだ洋書の棚
帰国
博士就職難
火曜日の深夜には博士の最終発表のために日本に帰る予定です。この発表の用意とコロンボでできなかった通常の仕事の作業を今からします。
以下、日本における博士の就職難についての記事。需要と供給で、日本社会に需要がないまませっせの博士の数を増やそうとしているのが原因なようにおもいますが・・・?(まぁその恩恵を漁夫の利で得ようとしているのはこの私だったりしますが。)
"大学院の博士課程を修了した若者たちの就職難が止まらない。
読売新聞
特に苦労しているのが文系の人たちだ。大学教員は狭き門。民間の受け入れ先も少ない。そんな中、面接のコツを教えたり、就職先を紹介したりする企業も登場している。(社会部 竹井陽平)
文部科学省の調査によると、昨年3月の博士課程修了者1万6801人のうち行き場のない人は4146人。実に25%が「浪人」を余儀なくされたのだ。しかも、この数字にアルバイトなどは含まれていない。
「この先どうなるんだろう」。早稲田大学大学院博士課程に在籍中の牛山美穂さん(28)は不安になる。文化人類学専攻。論文が完成したら複数の大学に送 り、助教など研究職を探すつもりだ。が、周囲には博士号を取っても給料の安い非常勤講師をかけもちしなければ生活できない人が多く、牛山さんは「どこでも いいから正規の仕事を」と焦りを隠さない。"
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080726-00000027-yom-soci
首振りが始まったところで・・・
ただ現在雨季でかなり曇っていて1週間いて一日しか晴れなかったのがちょっと残念ですが、まぁそのおかげでそこまで気温が上がらなかったのでよしとします。
それはそうと私の癖(そして長点?)で、その国の人々のしぐさ、そして言語のアクセントにかなり染まってしまう、ということがありまして、今回の出張も三日目くらいからはすでに(例の南アジア圏の人々がする)首のくねくね・・・がうつって来てました。アクセント・話し方も徐々に現地のそれがうつってきていたのですが自分でもその変化に笑いつつ、生産的な一週間をすごさせてもらいました。(この癖でいうと、インドネシアに一年半いたので、まだ結構インドネシアなまりや、彼らの英語の話し方がまだ消えてません。まぁインドネシア語はかわいい感じの言語なのでいっこうに被害はありませんが・・・。)
ということです。明日は早朝でシンガポール経由でバンコクに帰ります。また週末と来週の中盤からが忙しくなります・・・。
コロンボ
コロンボの市街地のホテル、という予定が今週末より始まる南アジアのサミットの影響でセキュリティがかなりタイトである、という情報を受けてスリランカ事務所の計らいで同地で一番古い(と思われる)イギリス植民地時代の知事邸宅がホテルになったところに滞在してます。部屋から海も見渡せてまぁそれはそれでいいところなのですが、最近は雨季で結構曇っていて残念ながら夕日はまだ見れてません(ほんとだったら夕日が綺麗なところのようですが・・・)。そう、それはそうとここの部屋にはアリが結構おおくてベッドの上にもちょこちょこいるし、書斎机で作業をしていると空から降って?きます。さっきも一回噛まれました。
Office2007
従来のパワポだったら最低20分はかかる作業が本当に一瞬でできますし、しかも(プロセスとかリストとかのいろんな)チャートの変更が瞬間的に行えます・・。Excelの表とかもクリック一つで背景に溶け込むようなカラーリングで3Dにできたりと・・・いや、ちょっと2007を馬鹿にしてました。まいった。でもおかげさまで発表用の手間が本当に省けてます。同じ箇条書きでも見た目が雲泥の差なので・・・。
機内読書リスト
最近読書で方針を変えたことがあります。それは、飛行機の中では日本語を読もう、ということです。前まではまぁ英語の簡単な小説(ハリーポッターとかマイケルクライトンとか)を読んでいたのですが、やっぱり日本語のほうが圧倒的にエネルギーを使わないで読めるので、疲れやすい飛行機中にはもってこい、ということで先月の移動中はせっせと日本語の読書に努めていました(おかげで最近は飛行機移動が楽しみになっています。時間に対する罪悪感がなく、気兼ねなく読書ができるので)。
あと、英語の本をなるべく読もうとは意識的にいままで努力をしてきたのですが、ここにきて「日本語になっている本があればそれはもうそれで読んでしまおう」と思うようになってきました。理由は簡単で、同じ情報の取得に費やすエネルギーと時間が4,5倍早いから、というだけの理由です。今までは英語にしておいてやっぱり英語に慣らしていかないと、と思っていたのですが、まぁそう硬いことをいわずに、という心境になりました。
以下、あまり価値のないコメントをがらがら書いてみました(あーそれにしてもはやく自由に読書がしたい・・・)。
★★★★
・小泉官邸秘録
いかに小泉政権が、官邸主導で今までの内閣とは一線を画していたかが伝わります。飯島秘書官がどのような体制で小泉氏を支えていたのか、官僚を使う、というのはどういうことなのか、情報統制・コントロールの仕方、という面でも非常にリアルです。こういう野心のなく、かつ抜け目のない秘書官をして小泉長期政権が実現したとも思えるくらいです。秘書官という女房役がしっかりしていないと安部さんのときのようにぼろぼろとおこぼれや弛みががでてきてしまう、というのはこの彼の作品を読んでいて良く伝わります。使う方(官邸)、使われる方(官僚・政治家・企業家・国民)の両方がそろわないと逆効果になるとは思うのですが、この官邸主導というのは、実に官僚的に窮屈な現代日本には一つのロマンのようなものを感じさせてくれます。
・構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌
彼がいなくては所謂小泉改革のほとんどが日の目を見ていないということがこれを読むとわかります。ThinkとDoとの違いはここまで大きいのか、という感想。「戦略は細部に宿る」とは著者が繰り返し強調してますが、権力を授かった一流学者の凄みを感じさせるには十分の内容です。理論と実践というのが常に(政治という非常にバイアスのかかった網で覆われてますが)交わり続けているアメリカの醍醐味・興奮度を間接的に感じるとことができました。アメリカのWest Wingの大統領みたいな印象を受けましたが、こういう(彼のような例は)まぁもう二度とこないのでしょうね。
・巨像も踊る
これはかなり読み応えがありました。当時のIBMと今の国連(失礼)とはかなり似ているところがあり、IBMとして描かれている社内の様子がかなり国連の内部と酷似していました・・・。特に第26章のまとめのところは大きな官僚組織にもまんまに当てはまる、そして非常に役に立つコンパスとなる内容でした。
★★★
・白州次郎 占領を背負った男
ちょっと一周遅れの今頃読みましたが、おもったよりも非常にこの人物のことを等身大でかいているな、という感じがしました。かっこよく着色しようとするといくらでもできるのにそれをあえてしなかったな、という感覚さえ持ちましたが、それがかえって好印象でした。ということで自分にとっては地味な白州次郎論。
・反省 私たちはなぜ失敗したのか?
あまりに実名がでてきて実名を出されている本人たちには恐ろしいような内容がのってますが、まぁ「自己保身」と称される官僚の動向はとくに驚きはなかったですが・・・。
★★
・ウィンザーホテル洞爺 夢のホテル
・NGO、常在戦場
・ウェブ時代5つの定理
私も一年未満ですがベイエリアに住んだことがあるので梅田さんが繰り返して言うシリコンバレーの精神、というのには結構懐かしい思いがします。もちろん当地に実際にすんだわけではないけどもアメリカのなかでももっと特殊な文化圏としてのベイエリアというのがあるとおもいますが、その精神の蒸留を具現化したような人々でごった返しているのがシリコンバレーなのだな、とひたすら感じます。
★
・リッツ・カールトンで学んだ仕事で一番大事なこと
へぇ世界のリッツの支店ではこういうこともやってるのね・やろうとしているね、という程。
・集中力
・実録 小泉外交
これは打って変わって全然よくなかったです。まぁ日記と思えばそれまでですが、まぁちょっと外遊の裏側がすこしだけ・・・という内容でした。
・なんとか会社を変えてやろう
・グーグル・アマゾン化する社会
まさにグーグルを使えばかけるような非常に表面的な話がちりばめられている本。フリーランスとしてまぁがんばってネタ探して書こうとしたのね、という感想。梅田望夫氏の著作に比べればまったくの付加価値なし。
世界で10本の指に入れるとしたら?
「もし世界で10本の指に入れるような実力者に今すぐなれるとしたら、どういう職種になりたいのか」
というものです。上司はピアニスト、ということでしたが、私は結構考えて、ふと浮かんだのが、「思想家」(Great thinker)というものでした。政治家、哲学者、サッカー選手、とかも浮かんできましたが、これが一番直感的にしっくり来ました(もっとも思い浮かんだ瞬間は自分も結構意外に思いましたが)。
でも思い直してみても、そういうものに俺は価値を見出しているんだなぁ、と結構自分を再発見できたような感じで新鮮でしたね。
皆さんはどうでしょうか?
気候変動と地政学
http://diamond.jp/series/machida/10020/
気候変動というトピックではここに書かれてある事実を確実に考慮に入れないといけないのですが、「平和に反対するのか」という極論っぽい動きが世の中にあることも確かです。
ここまでのレベルで気候変動が「国際社会」の「重要戦略」になっている時点で、(環境への考慮などでは決してなく)列強国が作り出している地政学的な背景があることはほぼ確実です(かなり極端なレベルでは田中字氏のかねてからの考察がその代表格でしょうか)。それがどこまで本当なのか、はあと5年ほどすれば明確になってくると思います。現時点では環境というカバーが掛かっていますが、地政学の世界に環境保護という要素が組み込まれる、ということはまずありえないので・・・。
まぁ私は地政学には関係ないので地道に環境の分野でやっていきますけども・・・。
第二稿完成
ところで昨日のウィンブルドンはかなりすごかったみたいですね。今日は(かなり眠そうな目の)同僚が結構その話で盛り上がってました(私はテニスは特に興味がないのでその興奮を分かち合えなかったですが・・・)。
今月末はスリランカへの出張が入りそうです。あまり安全なイメージはないですが、まぁ特に心配は要らないと思います。初めてのスリランカとなりますね。
それとそうそう、私のドイツ人のJPOの友達からどうもバンコクに異動でこられそうだ、との連絡を受けました。5月にボンにいったときにもこの話をしていてうまくいくといいねぇといっていたのですが、かなり可能性が高くなっているとのこと。すばらしいです。ともかくドイツから抜け出したい、といっていたのでよかったとおもいます(職場が原因じゃなくて母国はもう飽きた、との論旨)。個人的には気のかなりあういいやつなのでぜひぜひ、という心境ですな。私もこっちにきて公私ともによかったと感じています(バンコクは本当にいいところっす・・・)。
12時間突破
でも来月の半ばで3年間続いたこのアフターファイブ&週末研究者生活が終ると思うとさすがにかなりの安堵感があります。本当に早く終らせて色々と自分の他のしたいことをし始めたいです・・・。タイ語も勉強できてないし、フランス語も完全に忘れかけてますし、写真をもっと勉強・実践したいし、体を動かしたいし(ジムにも行く時間なし)、部屋のインテリアも少しずつもっと付け足していきたいし、タイ国内の旅行にも出たい・・・。あとは将来なにか本でも執筆できればいいなと漠然と考え出してきてます。
でもとにもかくにも好きな本を好きなだけ読みたい・・・。
まぁいずれにせよあと一月ちょっと・・・。
なげー。
モンゴルにおける日本の知名度
それはそうとモンゴルは意外に日本のことをしらない、ということが今回のモンゴル出張でわかりました。一番知られている国は韓国、だそうです。言語も文法も語法もほぼまんまに同じ(まぁということは日本語とも一緒なのですが・・・)で、前も書いたとおりに両国の間には労働協定みたいなのがあってモンゴルの人口の1%近い人口が韓国に出稼ぎにいっているとのことです。
そういえば町で人をみても、同じモンゴロイド、そして日本人というよりは韓国人に限りなく近い感じでした。ファッションも韓国のものがかっこいいとおもわれているので、若者はまたこれまた輪をかけて韓国人っぽいです。
インドネシア・タイと世界でも有数の親日国家に住んでいた(いる)私としては「あまりモンゴルでは日本は知られていない」といわれると結構新鮮だったりしますが・・・。
でも日本の相撲はもちろん皆見るようです。ちなみに7月11日からはしばらくは例のナーダム祭りが始まるようです(=モンゴルからの連絡がさらに途絶える・・・)。
そういえばJPO終了
私の年は年間のJPOの採用人数が40人くらいとなってましたが、まぁなんとか運良くJPOの先も結構面白い仕事をさせてもらいながら残れる、という状況になりました。特に感慨(こういう感情が昔から私には欠落してます)はないですが、節目だった、ということで。
ということで今まで外務省、そして日本の血税で給料をいただいておりましたが、これからはかなり日本の税金の負担が減りまして、他の国の税金がかなり含まった給与をいただくことになります。日本国民の皆様・そして外務省の方々、二年間誠にありがとうございました。
それと博士論文、まぁーーなんとか今週末の締め切りには第二稿、大丈夫そうです。まぁなんとかね。いずれにせよ早くとっとと終わってほしいです・・・。