読んだ洋書の棚

Taka's bookshelf: read


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The Black Swan

The Black Swan ・・・無星

これちょっと前に話題になった本なのですが、オーディオブックで読みました。・・・が、これほど読者にわかってもらおうと努力をしていない本も珍しいですね。著者の自慢げな文章が鼻に(まぁ私の場合は耳に)かかって仕方がありませんでした。尊大も甚だしい。

複雑な知識や言いたいことをわかりやすく書く、言うということはインテレクチュアルとして最低限の条件であると思いますが、見事に彼はこれに失敗してます。特に言いたいことがそこまで難しい話でもないところがまた悲しい限りです。この手のテーマであればMalcolm Gladwellの本のほうが、何十倍も書き方、表現の仕方が勝っていると感じました。

結果よりもプロセス

さっき見たヤフーニュースからの雑誌プレジデントの記事、「集中力が増す3つの仕掛け」。なかなか面白いです。
■なぜ残り10メートルで世界記録を取り逃してしまうか

北京五輪の代表選考会に来てくれと頼まれて東京辰巳国際水泳場に行ったとき、私は北島康介選手の泳ぎを見て驚いた。残り10メートルで、明らかに世界記録よりも体半分前に出ていたのだ。
「おおっ、やった!」
思わず私は立ち上がったが、タイムは世界記録に0.43秒及ばなかった。
北島のタイムを見た全日本の平井伯昌コーチが、日本選手はゴール前が弱いのだと言った。私は、原因は10メートル手前でもうゴールだと思って泳いでいるのではないかと読んだ。これを聞いた選手たちは、当然のことだが、自分たちは必死で泳いでいるのにという態度を示した。
私が、「全力で泳いでいない」と言ったのには訳がある。脳の機能は「ゴール間近だ」と思った瞬間に低下し、それに伴って運動機能も低下するのだ。脳の自己報酬神経群という部位の仕業である。

自己報酬神経群とは、その名の通り「自分へのごほうび」をモチベーションに働く部位であり、この部位が活発に働かないと脳は活性化しない。
重要なのは、活性化はごほうびが得られたという「結果」によって起こるのではなく、ごほうびが得られそうだという「期待」によって起こる点だ。ごほうびが得られた、つまり結果を手にしたと思うと、むしろ脳の機能は低下してしまうのである。
集中力を持続するには、この脳の仕組みを利用すればいい。ゴールの仕方に集中する。あるいは、目標よりも遠くにゴールを定めるのだ。そうすれば、実際のゴールの手前で脳のパフォーマンスが落ちることはなくなる。
私は平井コーチに、この脳の仕組みを説明した。コーチと北島選手が取った対策は巧みだった。プールの壁をゴールだと思うのではなく、壁にタッチした後、振り向いて電光掲示板を見た瞬間をゴールだと考える訓練を重ねたのだ。
この私のアドバイスから1カ月後、北島選手は見事、世界記録を塗り替えた。

■一流選手が常に「まだ課題がある」と口にする理由

面談をしていて、「私はコツコツ努力するタイプです」と言う人を、私は信用しない。その言葉を聞いたとたん、「コイツはダメだな」と思ってしまう。
むろん、コツコツ努力するのは、まったく努力しないよりははるかにいい。しかし、コツコツ努力する人が大きく成長することはないし、一流の人間になることもない。
一方、一流のスポーツ選手の言葉を聞いていると、ある共通項の存在に気づく。「まだまだ努力が足りない」「まだまだたくさんの課題がある」というよう に、一流になればなるほど、自分はまだ目標に到達できていないと、謙虚というより自然に口にする。しかし彼らは、コツコツ努力するとは決して言わない。
これは、脳の仕組みから考えると、とてもよく理解できることだ。

脳には自己保存本能がある。文字通り「自分を守りたい」という本能だ。より根源的な脳の3つの本能、すなわち「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」のうち、「生きたい」という本能から派生してくる、第二の本能である。
コツコツ努力するとは、一歩一歩着実に努力しようということであり、この言葉の背後には、「失敗しないよう慎重に事を運ぼう」という意識が隠れている。失敗すると自己保存が危うくなる。だから失敗しないように、コツコツやろうというわけだ。
自己保存本能は人間にとって大切なものだが、「失敗するかもしれない」という否定語は、この自己保存本能に過剰反応を起こさせて、脳の働きにブレーキをかけてしまう。それゆえ、コツコツやるという人は、自分が現在持っている以上の力を発揮することが難しいのである。
反対に、とても到達できそうにない目的に向かって一気にかけ上がろうと考えると、脳は信じられないほど高いパフォーマンスを示してくれる。つまり、実際は長距離走の場合でも、短距離走のつもりで全力疾走を繰り返すことで、あるところから人間の能力はぐーっと伸びてくる。
そして一気、一気でダッシュを繰り返して、ふと気付くと、到底超えられそうもなかった壁を突破しているものなのだ。そんな人のことを世間は、異様な集中力を持った人と呼ぶ。

一流のスポーツ選手がみな謙虚な言葉を口にするのは、無意識のうちにこの脳の仕組みを知っているからだろう。彼らは、簡単に手の届く目標に向かってコツコツと努力などしない。
常に、高い目標を掲げて、目の前の事に全力投球しているからこそ、「まだ足りない」と口にするのだ。彼らは決して、謙虚な性格の持ち主ではないのである。
北島選手へのアドバイスで難しかったのは、ブレンダン・ハンセン選手の存在についてだった。ハンセンは当時、100メートル平泳ぎの世界記録保持者であり、北島の最大のライバルだった。
これはスポーツだけでなく、あらゆるジャンルに言えることだが、人間は結果を求めると、持てる能力を十分に発揮することができなくなる。スポーツで言えば、「敵に勝とう」と思った瞬間、能力にブレーキがかかってしまう。
なぜかと言えば、これは脳の持つ根源的な本能に反することだからだ。


■ライバルは自分を高めるためのツールと思え

先ほど述べたように、脳には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という3つの根源的な本能がある。この3つの本能に逆らうことをやると、脳のパ フォーマンスは急激に落ちる。そして「敵に勝つ」は、「仲間になりたい」という本能に真っ向から逆らう考え方なのだ。地球の歴史の中で多くの生物が絶滅し ていったが、絶滅した生物の共通点は、周囲にいる仲間とうまくやっていけなかったことである。

では、ハンセンのことをどのように認識すれば、北島は脳のパフォーマンスを最大限に高めることができるのか。私は北島を含めて全員に、こうアドバイスした。
「ハンセンをライバルだと思っちゃいけない。自分を高めるためのツールだと思いなさい。そして、最後の10メートルをKゾーン(北島ゾーン)と名づけて、水と仲間になり、ぶっちぎりの、感動的な泳ぎを見せる舞台だと思いなさい」
つまり、ハンセンとも水とも「仲間になれ」とアドバイスしたのだ。これなら、脳の本能に反することはない。
結果はご存じの通り、北島は見事金メダルを獲得し、ハンセンは4位に沈んだのである。

結果を求めるあまり能力を発揮できない愚を避けるには、目標達成の「仕方」にこだわるのがいい。勝負に懸けるのではなく、達成の仕方に勝負を懸けるのだ。そして、損得抜きの全力投球をする。
結果を求めず、達成の仕方に全力投球するとき、人間は信じられない集中力を発揮する。ポイントは、「損得勘定抜きに」だ。損得勘定とは、実は、結果を求める気持ちにほかならないからである。

●point 1:ゴールを決めない
●point 2:コツコツやらない
●point 3:結果を求めない


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100212-00000001-president-bus_all
昔、自分に使った考えで、チョモランマを登りきろうと本気でがんばれば、そこでもし挫折しても富士山の頂上よりもずっと上の位置にいるはず、というのがありましたが、ゴールをできるだけ高めに、というのは共感します。

あと「結果を求めず、達成の仕方に全力投球するとき、人間は信じられない集中力を発揮する」というのにも非常に共感。結果ではなく、プロセスにこそ神秘があるものと思いますし、プロセスだけが人間がコントロール出来る次元ですしね。そのプロセス、やり方のなかに自分の哲学をいれこんでいく、という事だと思います。結果に芸術、存在価値があるのではなく、プロセス、やり方にこそそれが内在するものだと個人的には信じています。

また仮想敵、もしくは逆にも仮想の理想の人、などもあまりつくらない(もしくは結果的につくっていない)というのも特徴かもしれません。

気を張りながら自分を追いつめて行く、というのではなく、気を抜きながら、自分を追いつめて行く、というのが理想かと、この記事を読んで改めて感じたところです。



ホアヒン写真 (Nikon D300)

先日いってきたホアヒンの写真です。空がきれいでした。レンズは広角のAF-S DX NIKKOR 10-24mm F3.5-4.5G EDです。

 
  
  
  
  


キンドルのノートの管理

Amazonにて購入した本の下線・ノート情報はAmazon.com上のKindleのアカウント管理ページにてシンクしてくれるのですが、それ以外の、つまり雑誌、新聞、ワード・PDFから変換した作品につけたものはオンラインではシンクされないようです。

なのでこれら本以外の作品につけた情報を管理するやり方をかなりアナログなやり方ですが考えてみました。 (・・・が、これはものすごくアナログなやり方なので多分これよりももっと簡単にできるプログラムとかがあると思いますのでそれを見つけた時はまた教えてください/ご紹介します。)
  1. KindleをUSB接続してdocumentsフォルダのMy clippings.txtを全選択してコピーする
  2. エクセルに普通にはる(ウィザードとかはつかわない)
  3. コピーした部分を(1列を全体選択するのではなくて)カーソルでドラッグしながら全部を選択してコピーする
  4. 新しい場所に'Paste Special'で'Transpose'で貼り付ける
  5. これをコピーして、ワードを起動する
  6. (Wordの)メニューの'Paste special'で'Unformatted Text'を選ぶ
  7. 'Find and Replace'をつかって以下を変換する:
    1. ”   - ” から ”#” に
    2. ” Loc.” を ”#” に
    3. ” | ” を#に
    4. ”M          ” を ”#” に
    5. ”   ==========      ” を'Special'の'Paragraph mark'に
  8. 全選択する
  9. エクセルに右クリック、'Paste Special'で、'Text'としてはりつける。
  10. 'Text import wizard'で ”#” を'Limiter'に指定する(#でなくてもよくて、要はMy clippingsに使われていない記号でエクセル内での列をかえる、というのが目的なので。)
と、かなり煩雑でドロドロしいやり方ですが、これでエクセル上にて本のタイトル、下線をつけた日時、コメントの種類(下線かノート)、コメント、とそれぞれが列に分かれている状態で表示出来ます。

早く本以外の作品につけた下線情報もオンライン上で確認できればいいのですが、これっていまのところ出来ないようですので・・・。

PDFファイルのKindleへの変換

先日もちょっと紹介しましたが、PDFファイルや、DOCのワードファイルをKindle用に変換するためのフリーソフトは、mobipocketという会社からでているmobipocket creatorというものです。

ダウンロードは:
http://www.mobipocket.com/en/DownloadSoft/DownloadCreator.asp
でできます。PDFを変換する時の注意点としてはこのソフトをインストールする時は、Home EditionではなくPublisher Editionのほうを選択することです。こっちを選ぶと、PDFファイルを変換できる機能がついてきますので。

このソフトをつかってPDFやDOCファイルをKindle用のprcファイルに変えるやり方は
http://www.cottontimer.com/2008/05/06/how-to-convert-pdf-files-to-read-on-the-amazon-kindle/
に書かれてあります。そのままコピペすると:
  1. Download and install the FULL version of Mobipocket Creator. (If you opt for the simpler version, it won’t have the PDF conversion option.)
  2. When Mobipocket Creator is running, select Adobe PDF under Import From Existing File
  3. Choose the PDF file you want to convert
  4. Leave the rest alone unless you want to change your destination folder and click Import
  5. Select the html file that was just created and click Build from the toolbar at the top of Mobipocket Creator
  6. Click Build (you will most likely get a few errors but I just ignore them)
  7. Go to your destination folder, open the folder that was created with your publication
  8. Copy the .prc file into the Documents folder of your Kindle via the USB cable (if you want it delivered wirelessly, you’ll have to email it to yourself and pay 10 cents)
となります。

このソフトを昨日から試しているのですが非常にうまくいきます。例えば二段に分かれているものでもほぼ(→なのでちょっとの場所間違いはあります。でも十分許せる範囲)確実にKindle用に一段の普通の本のスタイルにしてくれますし、表紙も別にして保存してくれますし、画像もクリックして拡大する、ということができるようにしてくれます。ただ数字とかテキスト情報がはいったテーブルや図は崩れます。これは残念、でもそれでも十分のレベルです。

なのでこのソフトを使ってキンドル用にファイルを変換してからUSB接続でdocumentsのフォルダにコピーして完了、となります。

このソフトを使って職場のおおよそいつもなら5分で睡魔が襲ってくる固い報告書などをキンドル用に変換して読んでみましたが・・・!すごいですね、なにがこう変えるのかはすべてわかりませんが、すらすらと読めます!これはすごい効果ですね。通常のPDFであれば確実にトランス状態になるのですがそれがキンドルを使って読むとなくなるのです。

Kindleを使えば固い本・資料でも読める理由は何だろう、とすこし考えましたが、いまのところ思ったのは:
  1. パソコンのスクリーンで読む、という行為は姿勢が一つに限られ、しかも両手の位置も固定されるために、姿勢を変えたい、とおもっても変えられないので(そういう固い文章を読むのに)飽きる。
  2. キンドルを使うと目の前にスクリーンを持って来れて、しかもどの姿勢でも読む事が出来るので肉体的なストレスが非常に少なくなる。
  3. キンドルのディスプレイ(私の場合はKindle2ですので6インチの画面)が通常のA4の画面に比べて4分の1くらいなので、さくさくとページをめくっている感覚が手に入る。
  4. キンドル用に変換したファイルは当然の事ながらフォントのサイズや行間の変更ができます。この中でも多分フォントのサイズのもつ効果が非常に大きいように感じます。大きいフォントで読みやすくなります。
  5. あとよくPDFの資料、印刷物にある事なのですが、フォントのスタイルやサイズがあちこち変わったり、ボックスで別個に説明されていたりと、目でいちいち追って行くのがじゃまくさい、ということがなくなります。
  6. また実際の本と比べても非常に読み易い実感があります。それは多分本だと見開き2ページを読むまではページをめくる、という感覚が得られないために冗長で、あまり読み進められていない、という心理になってくるのが原因なのでは、と考えています。
  7. 下線、コメント・ノートがとり放題なので、本の上に本当に落書きをしているような間隔で簡単に読み進んでインプットを書き加えられます。
という感じでしょうか。あと大きな点をいうと、これから例えば今までたまにしていた(重要な資料のために)10ページ以上のPDFやDOCファイルを印刷する必要がなくなった、ことですね。印刷をこれからせずにKindleに移して読む、ということが日常化していくだろうと確信してます(いまんところは)。

でもまぁPDF、DOC資料を読み始めてまだちょっとしか経っていないのでこれからどうなるかわかりませんが、いまのところ、またまたKindle、やってくれました、というレベルの「読むという行為の革命」であると、ちょっと大げさすぎるかもしれませんが感じています。

Kindleマイナス点

Kindle2、使ってますが、これはホントにすばらしいデバイスです。革命級かもしれません・・・。

が、あえて今までつかってきて見つけたマイナス要因はというと:

バッテリーが案外持たない
これはちょっと意外でしたが、通信(Wireless)をオンにし続けたままで読んでいると3,4日でなくなってしまいますね。いまトライアルでInternational Herald TributeのAsia Editionを購読しているのですが、こういう日刊のになるとやっぱり通信はオンにしておきたいもの。ですがこれだけバッテリーのもちがないのはちょっとマイナス要因かな、とおもいます。でも通信をオフにすると感覚的にいってこの3,4倍はもつように感じます。

全体的に動作が遅い
ページをめくる、カーソルを動かす、検索をする、下線を引く、等のKindleデバイスそのものの処理スピードが非常に遅いです。このなかではカーソルのスピードが一番気にかかりますかね。カーソルを移動させて、下線を引いて、さっさと、ということができないのがたまに傷でしょうか。

定期購読のノートの管理がサイト上でできない
Kindle用の普通の書籍につける下線、コメントなどはKindle専用のアカウントページにいけばすべてシンクされて表示してくれるので、これは非常にすばらしいです。が、その他の定期購読の種類、つまり新聞、雑誌等のノート情報はこのサイトに反映されません。これは残念。ですので定期購読用のデータを取っておくには物理的にUSB接続してコンピュータとシンクさせないといけません。Kindle上で検索すればいい、と思われるかもしれませんが、検索等の速度がやはり遅いのと、勉強になった表現とか、わからない単語とか、書籍の中の大事なポイント、ではないものも混在してしまうのでここもちょっと不便です。

全体的にノートの管理がしにくい
普通の書籍のノートはアカウントのサイト上にシンクされる、とは書きましたが、全体的にこのKindleで自動的に作成されるすべての下線、コメント情報が入ったテキストファイルの管理がしにくいです。Txt形式で追加されていくだけなので、ちょっと単純すぎて全体像がみれません。例えば各本ごとのノート、としてまとめて表示してくれればいいのですがそれは無理で、時系列でどんどんとTxtファイルで追加されていくだけです。先日書いたWardのマクロも使ってみましたがほぼ使い物になりませんでした。

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・・・ですが、これらはマイナーな点なのでこれをもってKindleをおすすめしない、ということでは絶対にないですね。これはいまのところ本当にすばらしいです。英語で特に支障がない、という方には万難を排して購入されることをおすすめします。

JPOと事業仕分け

JPO制度がどうも昨年末の事業仕分けで影響をうける?うけた?らしいですね。それが原因かどうかわかりませんが、今年のJPOの合格通知が1ヶ月くらい遅れたようです・・・。政権の政策の影響が身近に来ている感じで感慨深いです。日本政府の国連機関への拠出金やJPOの延長年の交渉等にも影響が出てくるのでしょうしね・・・。