さぁ!きました。待ちに待ったタイでも2010年1月から公式発表されたKindle2(キンドル)ですが、つい3日前に届きました。オーダーしてから実に一週間ちょっと、というアメリカからタイまでの国際郵送にも関わらず相変わらず世界最大のロジ会社、Amazonの力を見せつけられた気がしました。
以下、使用し始めてから3日ですが、説明や気がついた点をランダムに書き出してみました。
Kindleは世界共通製品まずKindle端末は、すべてがAmazon.comを通して購入する仕組みとなっています。つまりKindleは最近のKindle2以降であればまったく同じ製品が世界中に売られているということで、日本で頼むKindleとタイで頼むKindleはまったく一緒のものとなります。
内臓メモリー私が今回購入したKindle2はメモリーが1.5GBあり、1000冊以上のスペースがあります。ですので“十分大きな”容量だといえます。というのも、例えばこのKindleを購入後 初めに買った本がMalcolm Gladwellの最新作、
What the Dog Sawという本なのですが、これはペーパーバックで約300ページの長さの本ですが、これがたったの150KB、というデータ量です。
まぁ テキストデータですのでそれくらい かといわれればそれくらいかもしれませんが、電子端末で扱うデータ量(音楽、写真、動画など)に慣れ親しんできたものにとって非常にいい意味で慣れない、 小 さいデータ量であります。ですので”十分大きな”容量となっています。いくらなんでも1000冊の本はそうそう読めないでしょうしね。
ディスプレイ縦しか画面を映せない、ということはなく、Kindle2の バージョンからは横にも表示させることが出来て、スペースを有効に使うことが出来ます。縦では横幅が狭い、という時に便利です。また画面にある文字の大き さは自由に(5段階くらい)変えられますし、行間も同じく変えられます。表示する列の幅、というのも変えられますので、これはひょっとして(一度に見る列 の長さを強制的に変えられる、という意味で)速読用の訓練にもひょっとしてつかえるかも、しれません。
でも初めてこの画面を見た時はやはり皆さん言っているように感動しましたね。うそか、と思うくらいに「液晶画面」という先入観をつぶ してくれました。今でも画面を付けっぱなしにしても電力が消費されない、ということに感覚がなれてきていません。非常にこれも新鮮です。
Kindleのしかし欠点の一つとしては(当然なのですが)物理的な本に比べて“一覧性”がない、ということでしょうね。これはビジネス手帳か、PDAか、という手帳の選択肢にも常に付いてくる違い、となります。これからKindleを使い続けてどのような感覚が自分に出てくるのか、楽しみです。
データ通信とかかる費用このKindleという商品の大きな特徴の一つはは、このKindleのデバイスそのものにAT&Tのデータ通信機能が含まれていることでしょうか。ですのでこの端末から直接本を購入したり、データをシンクで きたりできます。それと実験的にウィキペディアのアクセスは無料となっています(アメリカ国内では他の実験サイト、ブログも見られるようですが)。
そ してこの通信費が、AT&Tのローミングがつながりさえすれば(つまり世界の100カ国の主要都市において)どこにいってデータのやり取りをして も無料、というはすごいことです。海外におけるローミング料金の高さから考えると驚くべきモデルではないでしょうか・・・。
これはアマゾンとAT&Tとの契約で、通信代はすべてアマゾンが受け持つ、ということだそうで、利用者は本代のみを負担すればいい、となります。なので本屋にいって、あ、この本いいな、とおもったらその場で Kindleを通して本を購入できる、ということです。
ところで通信する環境にいない時も、もちろんPCを通してUSB接続で(パソコンのネットを通した購入した)本のデータの転送が可能です。
バッテリーのもちこ れはもちろんどこまで通信をするか、使用するかによって大差がでてくるでしょうけども、バッテリーのもちですが、マニュアルを読むとフル充電から大体2週 間は持つようです(でもまだ実際に試してはいません。着いたばかりなので)。なぜここまでもつのか、というと、このデバイスが、e-ink、という電子 書籍用の特殊な技術を使っているのが理由なそうで、画面に映し出された状態では電力をまったく消費せず、ページを変えるときにのみ電力を消費する、という 技術であるようです。
テキスト読み上げ機能読めない環境にいるときもText-to-Audioという機能が付いていて、文章を読み上げてくれます。この読み上げの質がまた非常に高 い。オーディオブックをずっと聞いてきた経験かrあ言ってもこの(Text-to-Audiのプログラムの質は)高いです。
以前
Expressivoと い う、テキスト読み上げソフトを購入して使っていた時があったのですが、このソフトの音よりもより聞きやすく、人間に近いものとなっています。でももちろん 市販されている実際の人が読んだオーディオブックにはもちろん劣りしますが、これはこれで十分使えるレベルである、と感じました。
“しおり”の機能読んでいて止まった場所を記憶しておいてくれるので特に何の作業も必要なく何冊の本も今まで読んでいた場所から読み進めることが出来ます。
本の購入Kindle版の本の購入においてまず特筆すべきことは、その値段でしょうか。印刷された本の値段とくらべてKindle版の本はおよそ半額にも下がります。著者と版権会社から一般読者に存在するすべての中間業者を取っ払った結果の値段設定となっています。これもすごいことです。
新しい本はKindleを通しても、アマゾンをとおしてパソコンでネットを通しても購入可能で、どちらの端末でもワンクリックで購入でき、購入後約10-20分で自動的にKindleの端末にデータが送られきます。
欲しいと思った洋書が一瞬で手元にはいる、というのは本当にすごいことで、今まではほしい本があったときはAmazon.comで購入してアメリカから郵送をまつか、バンコクや日本の大きい書店にいって逐一調べてもらう(といってもほぼない場合が多いので、無駄足を食う場合が多い)ということをしなくてすみます。Amazonで購入しても、その郵送の時間や費用がかかってきますので、郵送代はもちろんただ、10-20分で本が”届き”、そして本代も半額、というのはすごいです。
購入・購読できるもの一般の書籍に加えてKindleのすごいところは主要なアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの新聞や雑誌の講読ができる、ということです。 例えばNewsweekの購読を試しにしていますが、月々4ドルです。安いですね。何しろ印刷に関連するすべての会社、仲介人、小売業もろもろをすべて とっぱらった値段なので(これらの業界の方々がKindleのような電子書籍デバイス、そしてビジネスを大きな脅威と見ているのもわかります)ここまで安くなる、ということのようです。
あとKindle版には広告や付属はがきなどの余分なものも省かれています。また受け取るタイミングも、実際に売店にいって雑誌を買う、ということはしなくてすみ、アメリカのNewsweek社が印刷版の発売を決めたその瞬間に世界中、どこにいても自動的にKindleの端末に送られてくることになります。繰り返しま すが通信費はただなので自動的に送られてくるだけです。
コメント・ノート・下線情報の管理私が知的インプットの道具として大いなる期待をKindleに寄せている理由は、Kindleを使えば画面上に下線をどんどん引けるし、自分の考えたことをコメントとして追加していけることです。そしてなにより、それらをすべてテキストデータとしてパソコン上に移せるので、そのテキストをためていくだけでデータベースができます。
私が本を読む時はぐちゃぐちゃと、下線をどんどんと引いていって読むたちなのですが、ほぉ、とおもったところや、わからない単語が本を読んだ後にはしかしす べて見殺しにされている、という状況がずっと続いていました。もちろん一つ一つテキストにコンピューターで打ちこんでいけばいいのでしょうけども、これに は非常に多くの時間を要しますので(一時していましたが)長続きしませんでした。
Kindleを通せばどんどん下線を引いて、コメントを書いて、そしてそれが勝手にテキストデータになってくれるのですからこれはものすごいことです。
*あと細かい話をいうと、こういうノートのデータはUSBに Kindleを直接接続してDocumentのところのTxtファイルとしてあるようですが、このテキストデータは本ごとに連続してまとめてられてでてこないので、このサイト(
http://kindleworld.blogspot.com)で紹介されていたワードのマクロ(
http://theprofessornotes.com/archives/543/comment-page-1)を使うと綺麗に本ごとのノートに整理をしてくれるようです。←これはまだ私、トライしてません。
付属の辞書・追加もできるカーソルをもっていくだけで英英辞書にて調べるようにディフォルトでなっています。カーソルを持っていくと画面の一番下に2行分程の辞書の検索結果がでてきます。出荷時のディフォルトの辞書はThe New Oxford American Dictionaryとなっていますが、他の(Kindle版の)辞書を購入すればそれをディフォルトにすることも出来ます。
例えば英仏辞書とか英独辞書なども購入してディフォルトとして使用することが出来る、ということになります。これはですので英語をベースにドイツ語、フランス語を勉強したい、という人には非常にありがたいシステムではないか、と思います。Kindleはいまのところドイツ、フランス語に対応しているようです。
対応するファイルの種類PDFやDOCファイルもKindle端末で読むことが出来ますが、Kindle専用のファイル形式にも変換できます。これをKindle端末の通信を経てする、となるとAmazonの専用のメールアドレスにこのPDFやDOCファイルを送り、Amazonから自動的にKindle専用ファイルに変換されてKindleに送信されます。
が、この方法ですと、現在私のいるタイでは1MB(のPDF・DOCファイルデータ)につき1ドルの通信費がかかります。ですがで、MobipocketというサイトのMobipocket Creator(
http://www.mobipocket.com/en/DownloadSoft/default.asp?Language=EN)などのソフトを通してパソコン上でKindle用のファイルに変換して、USBを通してデータを移すという作業を経れば無料で変換することができます。
Kindle用にファイルを変換する上での便利なところは下線を引けたり、コメントを書けたりと、Kindle独自の機能がしっかり使える、ということです。PDFを直接Kindleに読み込ませるとこれらの作業ができませんので
あと日本語表示ですが、最新版のOSさえ更新されていれば日本語表示ももう標準で出来るようになっているようです(参考:
http://kengo.preston-net.com/archives/004357.shtml や
ここ)。
ということで・・・ということでながったらしく書き連ねましたが、Kindle2はとすると、いいことばかりなのか?という質問にはいまのところはその通りそう!となります。
数少ないマイナーな欠点としてはAmazon付属のKindle専用カバーがちょっと重く感じる(片手でこれを装着したKindleを持った時に)こととか、上記に書いたように電子端末なので一覧性がない、ということ、そして動作(例えばカーソルのスピードとか反応)が遅い、と感じることなどでしょうか。でもこれらはまだまだマイナーな点としてしか感じていません。
でもいまのところこのKindleという端末は、Amazonという会社の力やビジョン、電子書籍という分野のポテンシャル、印刷業界への影響等々含めて、本当に興奮を覚える商品であることは確かです。
またKindle更新、していきます。