読んだ洋書の棚

Taka's bookshelf: read


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読んだ本報告

以下、報告出来てなかった本です。いま書かないといつ書くかわからないので煩雑で簡略です。すんません。あとお分かりの通りほとんどがオーディオブックです。

The Secret History of the World by Jonathan Black ★★★★☆
バングラデッシュに出張でいった帰りのドバイの空港でふと見つけた本です。3.5★、でしょうか。所謂オカルト、秘密結社が綿々と教えて来ている奥義、秘密の視点から見た地球の誕生から現代まで、所謂「裏」の歴史、を書いた本です。

本書、非常に欧米を中心として書かれていてかなり偏ってますが、それでも書かれている内容は結構面白いです。現実の人間の歴史、地球、というのが実は二義的で、宇宙、星座の状況こそが第一義でそれが原因で二義的な影響がでてきている、と平気で描かれているのがなかなか新鮮でした。星座からの影響がまずあり、それから地球、人間にその効果が現れ、なので人間ががんばってどうのこうのという”小さい”レベルではなく、大宇宙の運行?状況をこそが大事だという一個の確立された教えがあるみたいですね。中国の易にもそういう話があるようですね。

The Pillars of the Earth (オーディオブック)by Ken Follett ★☆☆☆☆
オペラウィンフリーの推薦図書の一つで、中世の教会について小説の形でなんか勉強出来るかな、と思って手に取ったのですが・・・。なんなんだこれは。どうもやっぱり私にはファンタジー小説?は向いてませんわ。この小説はとくに駄目でした。

登場人物の設定、動き、事件、等々になんの脈絡、哲学もなく、単にスリル、興奮を与えるために?起こされている出来事、という印象は最初からずっと終わりませんでした。まぁこの作者は大衆推理小説を書いている人みたいですのでそれはしょうがないか、と思いますが、うーん、時間の無駄でした。絶賛されているのでさぞかし面白い?のかなと思いましたが、全然でした・・・。

歴史と外交 by 東郷 和彦 ★★★☆☆
例の鈴木宗男事件で大きく取り上げられた佐藤優氏の上司、という知識しかありませんでしたが、とって読んでみると彼の真摯な姿勢、性格が結構伝わります。ご本人が九州で豊臣秀吉?から陶器作り?の職人として連れて来られた朝鮮人の末裔である、ということも書かれてありました。ままおもろい。

インド人とのつきあい方 by 清好 延 ★★★☆☆
インド人と、つきあってますか?国連関係はインド人、多いです。ま、人口も多いですしね。(が中国人はまだまだ国連では希少な存在であると個人的な統計では思います。)堅苦しくなく書かれてある本でまぁおもろいか?という感じ。興味のある人、彼らとつきあわなくてはいけない人はお勧めかもしれません。

Made to Stick (オーディオブック)by Chip Heath ★★★★★
(これ、日本語版がありました:「アイディアのちから」。翻訳の質はわかりませんが)
5つ★です。広告、PR、とは言わずにコミュニケーションに携わる人であれば”絶対に”お勧めします。実際にどのようなアイディア、言い方、内容が人の頭、心に残ってどのようなものが残らないのか、それをすばらしく、ビビッドに解説しています。殿堂入りレベルです。おもろい。

The Devil We Know (オーディオブック)by Robert Baer ★★★☆☆
どのようにイランがアメリカのイラク侵略を前後して中東に置ける覇権を握りつつあるのか、を書いた本。彼の前の作品に比べるとしかし結構見劣りします。See No EvilとかSleeping with the Devilのほうが格段に面白かったです。彼の作品を読んでない人にはまずこの二冊がお勧め、です。でも勉強にはなりますのでこの本も中東とかイランの動向に興味のある人はいいのでは、とおもいます。

The Astonishing Power of Emotions (オーディオブック)by Esther and Jerry Hicks ★★★★★
きました。殿堂入り。日本語版は「実践 引き寄せの法則 感情に従って”幸せの川”を下ろう」です(翻訳の質はちらっと現物を見ましたが、悪くはないと思います)。The Law of Attraction、引き寄せの法則はかれこれ10冊?以上は読んで来てますが、やっぱり一番心に響くのは本家?のヒックス夫妻の著作ですね。その中でもこの本は本当にいい。

引き寄せの法則において感情というのは非常に大事なコンパスのような役割をもつ、ということは何度も書かれている通りですが、この本ではいかに「上流」の感情(怒り、嫉妬、悲しさ、等)、から「下流」の感情(安堵感、幸福感、等)に変化させて行くのか、というやりかた、行程を色々なケースごとに説明してあり、非常に実践的です(まぁ邦訳の題にもなってますが)。

この本の中で一番力強かったラインは: "Nothing that you want is upsteam"、自分(そして自分の魂)が望む事のすべては上流(の感情)にはない、というものです。そしてこの本は「安堵感」のもつものすごいパワーを説いています。Complete surrender(完全なる降伏?)としてよく禅の概念でも書かれていますが、流れが激しい(と自分では感じている)川をボートで必死に上流にこいで行く、という「苦しさ」がつきまとった上流の状態から、一気に恐れずオールを手から放り投げ、流れのままに流されて行くことの絶対的な重要性、そしてその潜在性をこの本は説いています。

この下流に感情をもって行く、ということが、負けを認める、という社会通念にベクトルが似ている、と感じるかもしれませんが、オールを投げ出した瞬間に負け、や、勝ち、という状況はなくなるわけであり、また「負けを認めている自分はだめだ」「負けてはいけない」という上流の感情を安堵のものにかえていくことこそが肝要である、と説いています。珠玉。

The Intelligence: A Novel by CIA (オーディオブック)by Susan Hasler ★★☆☆☆
かなりうーん?な内容、進め方、でしたが、イラク侵略前後のブッシュ政権下におけるCIAの職場、職員のおかれていた状況が小説の形でかなりビビッドに描かれていたのが唯一の面白かった部分でした。それでもストーリー展開とか人物描写とかがかなり粗悪に感じましたが・・・。

The Girl with the Dragon Tattoo (オーディオブック)by Stieg Larsson ★★★★★
やっぱりフィクションは自分にはあわないかなぁ、でもフライトが多い時期があって移動中に聞くのはやっぱりなんか軽い、でも興味深くスリリングなほうがいい、ということでミステリー部門で非常に評判が良かった同作品を読んでみました。・・・おもろい。確かに女性虐待という結構グロい描写、事件が題材とはなっていて、そこらへんは聞かないか、スキップするかでその描写の濃さを人工的に薄めることが有効ではないか、と思いますが、その欠点?を引いてもあまりある面白い推理小説でした。ちなみにこれは三部作の第一作ですが、この作者のスティーグラーソン氏はこの三部作を完成させてそれを出版社に届けて直後に?亡くなった、というこれまたミステリアスな現実も相まってかどうかしりませんが、面白いです。これはすげー面白い。

The Girl who Played with Fire (オーディオブック)by Stieg Larsson ★★★☆☆
んでこれがその第二作。第一作の衝撃と比べるとこれはかなりあんまり?冗長な内容でした。何しろ本編のストーリーが始まるまでに200ページくらいを読み進めないといけません。まぁこの主人公の女性に秘められた謎(これは第一作ではほぼなにも触れられていません)がだんだんと出てくるのでその部分では面白い、ですかね。

At Home: A Short History of Private Life (オーディオブック)by Bill Bryson ★★★☆☆
ベストセラーのA Short History of Nearly Everything(自然科学のトリビア満載の本。うんちくが好きな人にはお勧めです)の著者の最新作(だとおもいます)。今回は「家」というテーマで普段なんの疑問を抱く事のない物、習慣、食べ物、調味料などの歴史とその背景が延々と語られている本です。聞き流してましたが、ままおもろい。

The Girl Who Kicked the Hornets' Nest (オーディオブック) by Stieg Larsson ★★★★☆
そのスティーグラーソンの三部作の最終巻。主人公の女性とその出自にまつわる人や事件がテーマの巻。主人公がスウェーデンの伝説的なハッカーという設定もあり、やっぱり面白い要素が詰まったスリラーではないか、と思いました・・・が、第一巻の衝撃に比べるとこれもあんまり?でしたかね。

The Biology of Belief: Unleashing the Power of Consciousness, Matter, & Miracles by Bruce Lipton ★★☆☆☆
いかに生物がDNAにではなく、それを取り囲む膜や外的環境によって左右されているのか、という生物学的な視点からの立証が試みられた本です。が、この本の著者の説明がうたっているような、心が実際にどんなふうな変化を体に及ぼしているのか、という部分はこの本にはありませんでした。DNAではない外的/心的環境が細胞に対して影響を及ぼす、という可能性についてだけ最後まで語られている本でした。実際にどう起こっているかに興味があったんですがね・・・。

The State of Africa: A History of Fifty Years of Independence by Martin Meredith ★★★★★
すばらしい。アフリカの歴史、開発、環境等々にすこしでも興味のある人は必読だとおもいます。これはよくあるアフリカの貧困、腐敗の状況を”失敗”という枠組み、アングルで見るのではなく、アフリカのそれぞれの国の指導者、国民、そして宗主国がどのような動きをもって、いまいるその(アフリカの)国の状況になっていったのか、ということが素晴らしい小説家のような作者の文章で描かれています。独裁者たちの始まりと終わりが淡々と、しかしものすごく人間味あふれる書き方でその裏側、性格、生まれ育ち、などが描かれています。ものすごく読みやすい本。すばらしい。

長い坂(上・下) by 山本周五郎 ★★★☆☆
なんと、こういう日本の小説を読むのは多分司馬遼太郎以来?かもしれませんが、山本周五郎の作品はこれが私は実は初めてで、しかもこれが彼の最後の作品というです。最後の作品だからか、この物語の登場人物が語る言葉の随所随所になかなか達観、といいますか、本当に遠くを見据えた珠玉の言葉が結構散らばってました。平侍の息子として生まれた主人公の出世を取り巻く時代小説です。でもちょっと主人公ができが良すぎるのがすこし違和感がありましたが、ぶれない、という一つの(白州次郎ではないですが)プリンシパルの大事さがかっちり伝わってきました。

The Elegant Universe: Superstrings, Hidden Dimensions, and the Quest for the Ultimate Theory (オーディオブック) by Brian Greene ★★☆☆☆
(邦訳は「エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する」翻訳の質は結構悪い?見たいですね。レビューみていると。)
中学校時代に背伸びでしょうか、理論物理学、アインシュタインの特殊相対性理論とか量子力学、そして超ひも理論について興味をもった時期があって(雑誌のニュートンとかそのとき結構読んでました)、確か中三?でしたか京都にスティーブンホーキング、そしてデービットグロスという超有名な理論物理学者が講演に来たときに学校を抜けてそのシンポジウムに出たことがあります。ま、実際に理解していたのか、そしていまでもしているのか、という質問には答えはみつかりませんが、素人レベル、野次馬レベルでのこういう分野への興味はずっと持ってました。

・・・ということを話していたら今のオフィスの同僚にこれを絶対読め!と勧められて読んだ本です。しかしこれ、オーディオブック、としてますが、始めの30%はキンドル版で実際に読んでいたのですが、途中からはドイツで妻と子供と合流して単身赴任生活がおわったことに伴い、仕事終わりの読書などは望めなくなっていたので、理解できる範囲は非常に狭まるけどもそれでも読みたい、と思ってのオーディオブック版という事に相成りました。実際に読んでいる時はそれはそれは面白く感じたのですが、話が(そしてここらへんでオーディオブック版に切り替えたので余計に)超ひも理論の細かい説明に入って行くところらへんでもうかなり迷子になり、それが最後まで結構続いてしまいました。しっかりとゆっくりと、平易な形で理論物理、量子力学、そして超ひも理論の説明がなされていますが、かといってオーディオブックで聞き流せるくらいに内容は簡単ではないので、この本はちゃんと(興味のある人は)手に取って読んでください。

が、そういう中でも感じたのは超ひも理論は結局扱っている”ひも”の大きさの単位(10のマイナス33乗cm?!)のあまりの小ささのせいで実験的には立証は(すくなくとも現代の技術では)出来ない代物で、このような極小の一次元のヒモがあると仮定していろいろと数式、推測を進めて行くと、宇宙のすべての事が一つの理論で説明出来るかもしれない、という大きな可能性を秘めた理論ではあるのでしょうが、精神的・哲学的にこれ以上小さくならない存在、というのは宇宙にはない、と感じているのでまずここでちょっと違和感がありました。

また”究極の理論”(超ひも理論)と、それから説明される現象、というのは二つの別個のもので、それから説明される現象が無限大に増えたとしてもこの実験実証不可能な究極の理論そのものの直接的な立証にはならないのではないか、と感じました。必要条件だが十分条件ではない、みたいなやつですかね。(ってかなりとんちんかんな間違えをしてるかもしれませんが・・・)

犬と鬼-知られざる日本の肖像- by アレックス・カー ★★★☆☆
以前バンコクで実際にお会いする機会があったアレックスカー氏の他の著作の日本語版です。日本という制度がいかにほころんで崩壊しているのか、ということを伝えようとした作品。試みは非常にいいと思うのですが、かなり感情的になっている部分が多々見られ、論の飛躍もあり、日本の各セクターごとでどのような問題があってそれがどんな内容なのか、という大まかな点においては勉強になるのでは、とおもいます。

しかし彼が、ヨーロッパでは、アメリカでは、と出してくる”いい例”が、かなり近視的/マイクロな点が気になりました。例えば日本の公共事業、”土建社会”を非難してアメリカはそう言う事はない、といっていますが、アメリカの軍産複合体をベースとしたアメリカ本国の、終わる事のない”公共事業”(兵器産業)によって日本国では犠牲になっているのは自然、そして間接的に人の生活、となるでしょうけども、アメリカの場合は何十万という(アメリカ人以外の!)人の命、となるわけですし、一概に、”日本の公共事業はアメリカと比べて間違っている”、という結論にはなかなか無理がある、と思います。ロジックだけで言うと、日本の公共事業(だけを分析して)ここが間違っている、という論はもちろん理解出来ますので、比較のレベルの問題だけではあるのでしょうけども。

あとはまぁ未来(=今)からさかのぼって非難するのもなんですが、アメリカの金融産業・技術を褒めちぎっている箇所がいくつかありましたが、それは1999年の出版時で2008年以降の状態ではこのような記述はバブル期の日本の経済学者が書いていた本とか、またはフランシス福山がかいた”歴史の終わり”のようなむなしさがあります。

とはいってもやっぱり彼が力説しているように日本の景観はおかしいと思います。電柱、室外機、古い建物の破壊、パチンコ、コンビニの乱立、コンクリ詰めの川、海岸、看板、案内騒音などなど、もちろん日本だけの問題ではないですが、うなずくところも多々ある作品でした。

第二子誕生!

もうほぼ半年ぶり(5ヶ月!)の更新となりました。もうあまり見ている人もいない?とは思いますが、とりあえず。表題のように第二子がこの先週末に生まれました!男の子で、バンコクで生まれた長女に続き、今度はボンにて長男の誕生、となりました。 母子ともに元気です。

とりあえず今のところは一週間の休みをもらって家でお手伝いをしてます。しかしやはりバンコクと比べると外にふらっと遊びに行けて公園、緑も多く、非常に子供には素晴らしい環境だなぁと最近改めて実感しています。幼い子供にとってのバンコクはしかし暑すぎ、混み過ぎ、ですしね。

さ、次の更新はいつ?になるでしょうか。読んだ本もちらほらとはありますので、また超簡単にアップしたいとおもいます。そう、最近はもう家で本を読む時間もないので最近は専らオーディオブックにまた偏ってます。